どうもこんにちは、フモトです。
今回は以前ご紹介したLAOWA 50mm F2.8 2X ULTRAMACRO APOの実写レビューになります!何のレンズか分かんないって人はファーストインプレッションの記事も読んでみてね〜。
さてさて、自宅でマクロ撮影をするのも味気ないので折角なら野外!野外と言えば四国山地の皿ヶ嶺連峰県立自然公園しかない!風も冷たくなる11月の紅葉に染まるお山へのスナップ…果たして素敵なマクロ写真は撮れたのでしょうか。
目次
マクロ撮影の装備について
マクロ撮影の装備と言えばストロボ。日中では不要と思われがちなストロボですが、マクロ撮影では被写界深度を深めるため絞るので光量が必要になります。またストロボを使う事で手振れのシビアなマクロ撮影時でも被写体をしっかり止めて、明るく浮かび上がらせるような視覚効果も狙えるというわけ。
そしてもう一つ重要なのがストロボディフューザーです。多少見かけは不格好になってしまいますが、ストロボの光を大きく拡散させてくれるため、ストロボ直射と比べて何倍も自然で柔らかい光を当てることができるようになります。ストロボディフューザーには沢山の種類がありますが、筆者が試した中ではこのKenko 影とりジャンボが折り畳み式で携帯しやすく楽に着脱でき、何より光の柔らかさがグッと良くなりました。
そして最後にマクロ撮影と言えばマクロレンズですよね!今回はLAOWA 50mm F2.8 2X ULTRAMACRO APOの実写レビューということで、マイクロフォーサーズの傑作機、LUMIX G9 PROにこちらのレンズを取り付けました。
皿ヶ嶺連峰県立自然公園に行くためにはいくつかルートがありますが、愛媛県東温市側の上林森林公園にある風穴から入るルートにしました。この皿ヶ嶺連峰県立自然公園は標高1200m程の低山ですが、トレッキング難易度は山頂まで3時間20分の中級クラス(石鎚山と同程度)なので入山にはしっかりとした装備が必要です。今回は山頂まで登る予定はないため登山ブーツとユニクロのウルトラライトダウンを持参しました。当日の気温は最高20度前後のポカポカ日和で「長袖シャツでも十分」位の気温だったのですが、山の上は気温が下がりますもんね〜。
上林森林公園に到着
皿ヶ嶺の登山道入り口に到着。実際には地図のポイントより少し下った所にある「上林水の元そうめん流し」の建物横に駐車しました。ここから上林森林公園に入山できる遊歩道が整備されており、駐車場にはトイレもあるので至れり尽くせりの場所であります。この日もここから皿ヶ嶺を目指すと思われる登山装備の方が数組いらっしゃいました。
ところで上の写真なんですが、これはLAOWA 50mm F2.8 2X ULTRAMACRO APOで撮影しています。無限遠にすれば全体にピントを合わせることもできるし、フルサイズ換算100mmの単焦点ポートレートレンズとして活用することも可能なんですよね。ちょっと画角が狭いので風景には物足りないかもしれませんが、ポートレートのような撮影であればマクロレンズ特有の被写界深度の浅さを利用したボケの深い写真を撮る事ができますよ。
赤く染まって綺麗だったので手前の紅葉の木にフォーカスを当てている。葉っぱの輪郭がパキッと表現されていて解像力の高さが伺える。
こちらは上林森林自然公園の登山道。ちなみに風景は全てノンストロボで撮ってます。ストロボとディフューザー使ってるのはマクロの時だけ。
葉っぱも撮影してみる。こちらもノンストロボだが、ボケが潤沢でいい感じな写真に仕上がる。
ボケを利用して面白い写真が撮れるかな〜と、杉の木を見上げて撮ってみた。……ちなみにここまで入山から30分ほど経っているのですが、さっきからマクロレンズなのにマクロ写真が無くない?と思った方もいるんじゃないだろうか。そう、全く被写体が見つからないのである。実は前日の夜に雨が降ったため山道は湿ってぬかるんでおり、虫が全く活動していなかった。
マクロ撮影開始!
しょうがないので苔の先についた水滴を撮ってみる。ここからはフラッシュとディフューザーを使用しています。引きの写真がないのでサイズ感分かりにくいなぁ。
これ何の写真か分かりますかね?苔からたまにニョキニョキっと生えてるもやしのような植物の先に付いた水滴。僅か1〜2mmのものをこれだけ大きく撮影することができます!……って言っても引きの写真がないとサイズ感伝わらないよね。
ところで話は変わりますが、マクロ撮影で一番難しい操作はなんでしょうか?
…
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……正解はピント合わせです。
葉っぱ程度のサイズならフォーカスリング操作で全く問題ないんだけど、最大投影倍率が1倍以上の世界になってくると焦点距離の間隔がシビアすぎてフォーカスリング操作では合わせる事がかなり難しい。このためあらかじめレンズ先からの焦点位置を予測しておき、カメラを前後して合わせるスタイルになってくる。
しかしそれでもカメラが僅か数ミリ前後しただけ、もしくは手振れでプルプル震える度にピントが大きくずれ込んでしまう。感覚的には顕微鏡のピント操作に似ているかもしれない。しかも安定しない山の斜面でしゃがみ込んだり空気椅子のような体勢で撮るため体力が凄い勢いでガンガン削られていく……これはもう撮影というより筋トレ、マクロ撮影エクササイズや!
そんなこんなで三十路のおっさんには辛い撮影が続いていたそんな時、岩の影に驚くべきあるものを見つけてしまった。
みなさんはこれが何かお分かりだろうか……そう、2006年に愛地球博の会場で目撃されたのを最後に消息を絶っていた森の妖精、キッコロである。twitterでは相方と間違えていましたが、サイズや形状的にキッコロで間違いない。ちなみにこのコケ キッコロはサイズが5mm位なのでマクロレンズで無ければ撮影が難しかっただろう。森の妖精すら撮影できてしまうレンズって凄くないですか?
しかし何か足りない気がする、森の妖精って確かもう一匹いたはず。そう思い辺りを見回していたその時、杉の木の根本に見覚えのあるモコモコの物体を発見してしまった。
も、モリゾー!オマエこんな所におったんか…
キッコロより大分でかいしモコモコしているから間違いない。こいつはモリゾーだ!失踪してから14年という長い歳月は、あの可愛かったモリゾーをまるで蛾のようなリアルな体に帰化させてしまっていた。モリゾー…苦労したんだなぁ。
感動の再開を果たしたところですが、以降1時間以上遊歩道を歩くも全く生き物を発見できなかったため撤退することにしました。もう11月だし昆虫は冬眠に入ってしまったのかもしれない。マクロの被写体を昆虫メインに考えていたのが失敗だったかもしれないなー。
帰路につこうとしていたところ、道路脇に野菊が咲いているのが目に入った。野菊にはヨメナとノコンギクと言う種類があるそうなんだが、野草に詳しくないのでどちらかは分からない。
正面から野菊の束を撮影。綺麗に背景だけボケてくれたので、まるで水面に浮かんだ花のように撮る事ができた。
紫の野菊もパシャリ。雨に打たれたせいか、ちょっと花がくたびれた感じにみえる。
野菊に丁度水滴が溜まっていたので最大投影倍率1倍程度で撮影。この写真はストロボディフューザーの良さが出ている写真だと思う。野菊を照らす光が優しく、かつ水滴に反射した光も大きく弧を書いて美しく現れていますね。
撮影を終えて、今回の総括
さてさて、今回の撮影最大の撮れ高は野菊と森の妖精だけになってしまったわけですが、これまでの写真からLAOWA 50mm F2.8 2X ULTRAMACRO APOの描写力は伝わりましたでしょうか。焦点位置さえ合わせられればどんな細かく繊細なものでもカリカリに書き出し、かつボケは自然で柔らかみのある絵になっていたかと思います。
最大投影倍率2倍というモンスタースペックを表現する機会は今回の撮影ではほとんどありませんでしたが、実際に試す事によって色々と今後の撮影方法について改善点を割り出すことができました。
まず感じた事は、最大投影倍率2倍では被写界深度が浅すぎて手振れ補正搭載+ストロボの完全装備ですら手持ち撮影はかなり困難な印象だったこと。被写体が完全静止している状況下でも僅かな手振れで被写体のピントが大きくずれてしまい、何度も調整やリテイクを繰り返していました。これを改善するためには三脚を使用するか、何度も連写してアタリを狙うしかない。
最大投影倍率2倍の撮影は大変困難で練習が必要ですが、このウルトラマクロの描写は間違いなくこのレンズでしか表現できない唯一のもの。そう思うと何かワクワクしませんか?もしこの記事をきっかけにウルトラマクロの世界に興味を持っていただける人がいれば嬉しいですね!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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