こんにちは。フモトです。
少し前の話になりますが、2020年1月26日、下灘の下町風景を撮影していた際にふと思いつき、気分を変えようとモノクロームで撮影したのが、私の初めてのモノクローム体験でした。この時の体験について、ちょっとお話したいと思います。
モノクロームはレトロな感性を刺激するシンプルで最良の手法
ただ、気分を変えようと始めたモノクローム撮影でしたが、昭和の時代から残る町並みを撮影する内、カラーで撮影するよりも、遥かに印象的で鮮明に雰囲気を切り取って伝えられる事に気付きました。
色を削ぎ落とす事で現れる被写体のストーリー
色という情報は、被写体の美しさを表現する重要な要素の一つですが、同時にそれは非常に取り扱いが難しく、容易に情報の氾濫を許してしまうものでもあります。モノクロームは被写体のそういった雑多な情報を削ぎ落とし、被写体そのものに私たちの意識を集中させ、そしてそうなった時に、被写体の存在意義やバックボーンといった、これまで見えなかったストーリーについて、様々な想像を掻き立てられるようになったのです。
とある民家の玄関より、表札横に飾られた無数の安全祈願の木札。漁師町という場所柄、仕事で命の危険に晒される事も少なくないのだろう。当時の人たちの信心深さと思いやりが感じられる。
屋根の補修のために準備されたまま、使われることなく放置された屋根瓦。途中で家の持ち主が去ってしまったのだろう。止むに止まれぬ事情があったのだろうか。その瞬間から時が止まってしまっている。
下灘では町の至る所に祠を見かける。多くの祠は信仰の証であり、同時に家族や大切な人の安全を祈る、愛情の現れのようにも思える。
という事で、モノクロームの雰囲気を味わっていただけましたでしょうか。自分はモノクロームの楽しさにハマってしまったので、定期的にモノクロームの写真をお届けできればと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!