こんにちは。フモトです。
カメラ好きの方の中には「写真を仕事にできたらなあ」と考えたことがある人は多いんじゃないでしょうか。写真のお仕事の中でも、今、最も新規の参入ハードルが低くなっているストックフォトについてのお話をしていきたいと思います!
私はストックフォトを初めて1年半ほどになりますが、ほぼ放置の状態ながら、売り上げや業界の傾向から見えてきたことが沢山ありますので、これから始めたいと思っている方に知っていただき、お役に立ててもらえれば幸いです!
それでは行ってみましょう!
以下目次
- 写真を仕事にしたい人へ
- ストックフォトとは?
- ストックフォトはどんな人に向いている?
- ストックフォトを始めるために準備するもの
- ストックフォトの収益について
- 最後に
目次
ストックフォトとは?
ストックフォトとは、名前の通り写真をストックするサービスのことです。
サービス事業者は、コントリビューター(投稿者)から写真を投稿してもらってストックしておき、クライアント(顧客)は必要な時に必要な写真をストックの中から選んで購入します。こうすることでクライアントは従来であればカメラマンの手配や撮影といった煩わしい作業を省略し、高額な人件費や撮影費を節約することができます。また、写真家にとっても、これまで自前撮影で済ませていたようなライトな客層を取り込めたり、写真販売の手間を省き、好きな時間に好きな場所で撮影ができるメリットがあります。
これまでのストックフォトサービスでは、コントリビューターとして参加するためには厳しい審査を通過する必要があり、大手のコントリビューターと名乗れることはカメラマンにとって一種のステータスでありました。しかし、現在では一般的なカメラと言えば一眼レフからスマートフォンという時代になり、カメラと写真が巷に溢れた事によって、そのハードルと共にコントリビューターの地位も大きく下がる事になってしまいました。
ストックフォトはどんな人に向いている?
さて、そんな便利なサービスですが、ストックフォトはどんな人に向いているのでしょうか。いつでもどこでも好きな時に撮影して投稿するだけでお金になる––––こんな夢なようなサービスなら、カメラを持っている人なら参加しないだけ損なのではないか。一見メリットしかなさそうなストックフォトですが、実際には様々なデメリットも存在します。このため、ストックフォトを考えている人はそのメリット・デメリットを慎重に見極めて参加する必要があるため、人によってはストックフォトに向いていない人がいるのも事実です。以下にストックフォトに向いている人の例を挙げていきましょう。
- 一枚の写真にこだわり過ぎない人
- 今現在、写真で有名になったり、稼いだりしていない人
- 面倒な事をコツコツと続けられる人
- 長期的な収益を考えられる人
- 写真を始めたばかりだが、少しでもお金を稼ぎたい人
- 利益よりも沢山写真を撮って経験を積みたい人
ストックフォトを例えるならば、様々なジャンルの写真を大量に投稿して網を貼っておくことで、クライアントという魚を引っ掛ける商法です。このため、一枚一枚の写真に時間をかけるよりは「それなりのクオリティの写真」をいかに短時間で沢山投稿できるかが重要になってきます。また、ストックフォトの最大の難関として投稿写真の販売審査があります。せっかく一生懸命構図を考えて、時間をかけて撮った渾身の一枚がノイズチェックのAIで落とされてしまってはたまりませんよね。
このような商法だと、既にある程度の評価を得ている写真家の方では、評判を傷をつける事にもなりかねませんし、報酬単価1枚あたり25円が平均の業界では、撮影費だけでも大赤字になってしまうため、普通に顧客からの依頼を受けて撮影することの方が無難でしょう。
また、ストックフォトで一番面倒になってくるのは、写真の現像作業と、ストックフォトへの登録作業です。写真の現像作業は言わずもがな、ストックフォトへの登録作業は基本的に投稿者が写真の販売文句やジャンルなどのタグ付けを1枚1枚全て行う必要があります。最近ではある程度ストックフォトサービス側でAI処理によって自動タグ付けをしてくれるところもありますが、これも完全ではないため、見直しや付け直しのチェックは全て手作業で行う必要があります。カメラを仕事にすると言えば華やかには聞こえますが、実は内職のように大変地味な作業の積み重ねでもあるのです。
心折れる話ばかりではありますが、当然メリットも沢山あります。それは長期的な収益が得られるというメリットです。ストックフォトは1度販売を初めてしまえば、3〜4年はその写真が売れ続ける可能性があります。実例として私の販売している写真では、1年半以上前に販売した写真が突然売れたケースや、同じ写真が販売開始時から定期的に売れ続け、30回以上ダウンロードされた写真もあります。
このように、ストックフォトはカメラ初心者でとにかく沢山写真を撮りたい人、かつコツコツと大量に投稿でき、長期的な目線で収益を考えられる方に向いているサービスになっています。
ストックフォトを始めるために準備するもの
ストックフォトを始めるために準備するものは、大まかに以下のようなものが必要になります。カメラは極論スマホでもOKなのですが、今回はあくまで推奨レベルのものを挙げていきたいと思います。
カメラは2000万画素以上の1眼カメラがオススメです。2000万画素以上のモデルではノイズ処理機能が優れているものが多いため、販売審査で通過しやすくなります。また、素材としても4kモニターの解像度3840×2160ピクセルを超えるサイズ(2000万画素は5475×3650)の需要が高いため、最低でも2000万画素以上のカメラを用意するようにしましょう。また1眼をオススメする理由として、レンズ交換によって撮影表現の引き出しを増やせられるメリットもあります。また筆者的には4K29.97fpsの動画機能があるものをオススメします。これは現在、一番収益性の高いストック素材が4K動画になるためですが、これも大変重要な要素なので忘れずにチェックしておきましょう。筆者がお勧めするのはLUMIX G9 PROですね!動画も写真も両方できる上、高い手振れ補正技術は三脚なしで綺麗に止まった動画が撮れるほど。
あると撮影表現が飛躍的に広がります。また、動画撮影時には映像が大変安定するため、三脚のあるなしで撮れ高が大きく異なってきます。筆者はトラベル用の軽い三脚を愛用しています。
これらは単純にストックフォトサービスに登録する際、必要な書類になります。(海外のサービスであればパスポートが必要なケースも)
銀行口座は一般の口座でも可能なものや、ネットバンキングに強いPAYPALや楽天銀行しか受け付けていない等、サービスによって異なるので注意しましょう。マイナンバーは国内サービスはもとより、海外サービスでも税金処理の際に必要になります。
写真だけ売りたいという人と、動画も一緒に売りたいという人で求める性能が大きく異なると思いますが、筆者は迷わず4K動画編集できるクラスのものを買っておくことをオススメします。なぜなら写真の売り上げは平均単価25円ですが、動画は平均1000円以上だからです。写真よりは売れませんが、単価40倍と考えれば撮っておいて損はありません。(ちなみに筆者の売り上げの半分は動画です)
撮影した写真は可能な限りノイズ処理を行った方が審査通過率が高くなるのでLightRoomでノイズ取り→PhotoShopで最終加工を行う方法がベターです。動画も販売したい場合は、ちょっと月額がお高くなってしまいますがPremierProも使えるコンプリートプランを契約されることをお勧めします。
ストックフォトの収益について
はい、みなさんが一番気になるのは「実際どの程度儲かるんかいな?」ってことですよね。大変お待たせしてすみません。私の2019年の収益を公開しますので、こちらを参考にしてもらえればと思います。因みに、現在私はストックフォト3社と契約しており、それぞれに同じ写真を投稿しています。2019年の売り上げは以下。
ShutterStock | 36951円 | |
AdobeStock | 17400円 | |
PIXTA | 21922円 | |
合計 | 76273円 |
この収入は少ないように思えるかもしれませんが、ほぼ2018年7月から2018年11月頃までに投稿した素材だけで稼ぎ出しているという事を考慮してもらえるとどうでしょう。(2018年末に筆者転職のため、2019年末まで、ほぼ新作投稿がありませんでした)その間にアップした素材は点数にして1サービスあたり写真が600枚〜700枚、動画もそれぞれ300点程。投稿にかかった作業時間は40時間〜45時間程度です。当然機材費や撮影のための交通費もかかっているので、費用を考えれば十分な金額ではありません。しかし一度投稿した素材は確実に数年間利益を産み続けてくれますし、投稿点数は売り上げに単純に比例するものではなく、1点あたり数十回以上リピート購入される素材が出てきたり、期間素材と呼ばれる季節によって急に売れ始める物もあるため、同じ作業時間でも、2年以降の利益を何倍にも高められる可能性は十分にあります。
因みにAdobeStockの著名コントリビューターMonetさんは記事で、ストックフォトをメインに生活できるレベルの収益を上げるには月1000点は写真を投稿する必要があるとおっしゃっていました。多分自分の目標月収の何倍かを想定してる(笑)
Q4. 実際、どのくらいの売り上げがあるのでしょうか?
https://www.adobe.com/jp/information/creativecloud/stock/campaign/showcase/monet.html
う~ん、それは秘密です。ただ、プロとしてそれなりの収益を出したいのであれば、最低でも月に1,000点はアップしていくべきでしょう。1年で12,000点ぐらいになってくると、きちんと分析できる程のデータが取れ、売れる写真の傾向が見えてくると思います。
最後に
みなさんはストックフォトについていかが感じられましたでしょうか。メリットもデメリットもあるストックフォトですが、私のような駆け出しカメラマンにとっては練習しながらお金を稼げる良いシステムではないのかなとも思えます。昔のようにコントリビューターが誇れる時代でなくなってしまったのはちょっと寂しいですけどね。
次回は「ストックフォトで売れる写真を撮るには」辺りを記事にしたいと思っています。もし記事のリクエストがありましたらコメント欄へお願いします!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!
こんばんは!ツイッターで何度かやり取りさせて頂いたKazooです。
フモトさんの記事とても興味深く拝読しました。
ストックフォトというサービスがあること自体この記事で知りました^^;
自分の本業はハードワークで低収入なので、趣味のカメラで少し稼げるかも!と希望が持てました。ぜひ「ストックフォトで売れる写真を撮るには」の記事をリクエストしたいですね!
よろしくお願いします。
Kazooさん、コメントありがとうございます
記事が少しでもお役に立てたようで嬉しいです。
リクエスト感謝です!
ストックフォトについては売れる写真のコツも含めて
色々連載していくつもりなので、また読んで貰えたら幸いです!